初めて見たとき、そう、呼吸が止まったの。息をするのも忘れてしまうくらい何かに夢中になることなんてあいにく初めてで、同時に、ひとめぼれっていうものも初めてだった。
 とにかく何が言いたいかって、わたしはひとめで彼に夢中になってしまったの。こんなことってある?

「おい。」

 わたしを見るその眼は、冷徹、というのだろうか。感情があまり感じられなかった。でもその眼もまた、好きだった。すべてを見透かされているような、そんな瞳。
 そんな双眸に見つめられて、じん、と身体の芯が痺れるような感じがした。このまま見つめられたら、きっとわたしはとけてしまう。

「てめえ、聞いてんのか。」

 一目見ただけでわかる、筋肉の隆起。なんて綺麗な体をしているんだろう。

「なんとか言ったらどうだ。」

 触ってみたいし、触られたい、そんな想いに駆られる。ああ、守ってもらいたい。

です。」
「名前なんて聞いてないぜ。」
「あなたは、なんていうんです。」

 名前を聞いたらきっと後に戻れなくなる。もう恋心に呪縛されてしまうに決まっているけれど、聞いてしまった。

「空条承太郎だ。」

 ん?

「ああ、あなたじゃないです。その後ろの、彼。」
「………なんていう肩すかしだ。お前、見えるんだな。星の白銀――スタープラチナ、だ。」

 スタープラチナ……なんて綺麗な名前なのでしょう。もうわたしは、恋の奴隷。どうしてくれるのですか。

「スタープラチナさん……よろしくお願いします。」
「おいおい、まずは本体のおれに挨拶するのが順序だと思うぜ。」
「空条さんもどうぞよろしく。っていいます。」
「聞いたぜ。」
「あ、さっきのは空条さんでなく、スタープラチナさんに言ったので、一応。」
「……変な奴だ。」





今日からわたしは恋の奴隷

ごめんなさい。お遊びです。(笑)