かごめが現代から戻ってきて、四魂のかけら探しも再開。
ずんずんとあてもなく進んでいるときだった。
「なにい!?女が四魂のかけらをもってったあー!?いつだ!?」
退治されたオオムカデの処理をしていた近くの村の男の胸倉を犬夜叉は掴んで尋ねる。
「また変なのが来た…。」
「オオムカデを退治したばっかりだっちゅうのに…。」
そのほかの男たちが露骨にいやな顔をしてぼそぼそと言い合っていると、
「あ!?」とすごい形相で犬夜叉が睨みつけた。ひるむ男たち。
「ご安心ください、このものは私の仏弟子です。」
「仏弟子ってなんだ?」
「仏弟子ったらお坊さんの家来ってことかいな?」
「誰が家来だって?」
「ひっこんでなさい。お前が出てくると話がややこしくなる。」
オオムカデから少し離れた場所で男たちから話を聞くと、
どうやら四魂のかけらを持っていったのは妖怪退治屋らしかった。
しかしその退治屋の場所はわからないようだった。(向こうから用聞きに来るらしい。)
「なんでもそのなんたらの玉というのは、もとは自分たちの里からでたものだ、といっておった。」
「犬夜叉……知っていましたか?」
「いや。」
玉がどうして生まれて、どこから来たかなんて犬夜叉は考えてもみなかった。
桔梗が持って、守っていた、ただそれだけ。
「聞いてみようよ、その退治屋の人たちに、玉のこと。」
どうして、どこで、四魂の玉が生まれたのか。
そんなこと気にしたこともなかったが、そこに目が行くとなんだか気になってくる。
「の意見に私も賛成です。」
「……そうだな。」
「もしかしたらおらたちの村の誰かが退治屋の里を知ってるかもしれねえ。」
男たちの案内で村へやってきた。
手分けして村中の人に退治屋の里の場所を聞いたのだが、結局誰も知らなかった。
唯一得られた情報としては、山の中、ということ。犬夜叉たちはあてもなく山の中に入り込んだ。
もう日も暮れかけていて、今日のところは村で休んでいこう、とかごめが提案したのだが、
明日まで待てない、と一点張りの犬夜叉。結局かごめが折れて、日も暮れた山の中をずんずんと進む。
「山の中って。」
はっはっは、とが乾いた笑い声をあげた。
「山の中って。」
再び乾いた笑い声。
「範囲広すぎ!」
は大して面白くなさそうに笑った。
隣を歩く弥勒が心配そうにの顔を見た。
「あまりの途方のなさにヤケになってしまったんですね……よしよし、私が慰めてあげます。」
「慰めとか結構です。慰めるなら退治屋の里を探してください。」
「うーん……手厳しい。」
と弥勒が言った時だった、急にあたりの空気が変わった。いやな空気だった。
何か悪いものが近づいてくる、そんな感じが身体にひしひしと伝わってくる。
「なにあれ!」
かごめの声。頭上に無数の妖怪が月を背景にぞろぞろと空を移動していた。
ただならぬ妖気と―――殺気。
「やつら、何かを襲うつもりだぜ。」
「追いかけましょう!」
妖怪の群れの向かうところに急いだ。
退治屋の里へ