四魂のかけらを探しているのは、奈落を探しだし滅っするためということ。右手の風穴は奈落によってもたらされたもので、それは年々大きくなっていていずれ弥勒自身を飲み込むということ。奈落は姿を借りることができること。

「奈落を放っておくわけには行かない……50年前消滅したはずの四魂の玉が今の世に再び現れ、四散したという。奈落は必ずやかけらをあつめ、より強い妖力を求めるはずです。なぜなら奈落は50年前に玉を守っていた巫女を殺し四魂の玉を手に入れかけたというのですから」
「巫女を殺してだと!?」

 犬夜叉が過剰反応した。多分桔梗のことだろうと理解した。

「おい弥勒! その奈落ってやつは色んな姿を借りるといったな! 今は!? 今はどんな姿をしている!!」

 犬夜叉が弥勒に詰め寄る。

「だからそれがわかればとうの昔に見つけ出し成敗しています」

 犬夜叉は悔しそうに拳を握る。

「この四魂のかけらを集めていれば、奈落にいきつくってことよね?」
「あっ、いつのまに」

 弥勒の言う通りいつのまにかごめが弥勒から四魂のかけらを抜取り、見つめていた。

「一緒に集めましょ?」
「え?」

 弥勒と犬夜叉が同時に戸惑いを浮かべた。

「だって犬夜叉は譲る気ないんでしょ?」
「あたりめーだ」
「だから、ね?」

 しかしまだ弥勒は迷っているようだった。

「しかし私は人様と深く関わるのが苦手な性分でして……」
「でも……早く見つけなきゃ死んじゃうんでしょ?」
「かごめさま…私の身を案じて……」
「そりゃあ」
「では……私の子を産んでくれませんか?」
「「「!?」」」

 一同絶句する。

「万が一奈落を打ち果たせず、私が死んだとき……我が一族の使命を託す子が必要……」
「いい加減にしやがれこのスケベ坊主!」

 はいまだに軽蔑したような目で絶句し続けている。

、す、すみません、頼むからそんな目で見ないで……」
「あ、ごめんつい。……そうだよ、一緒にいこうよ。みんなで行ったほうがきっと楽しいよ」
……」

 再び二人の間に親密な雰囲気が流れた。やはり面白くない犬夜叉がの腕をぐい、と自らの方へ引き寄せた。

「俺はやだね!」
「男の嫉妬は醜いですよ。それに犬夜叉はかごめ様が好きなのでしょう?」
「なっ! こいつはただの玉発見機でい!」
「玉発見機ですって!?」
「玉…発見機……」
、笑うんじゃない!」
「うまいだろ」
「弥勒様の方が優しい!」
「てめえ裏切る気か!」
「まあまあクールになろうよ……」

 苦笑いしつつ仲裁しようとする。

「もとはといえばが弥勒の野郎と仲良さそうにしてっからだぞ!」
「わ、わたし?」
「あんたが玉発見機なんて言うからよ!」





対奈落協定



「これから大変になりそうじゃな…」

七宝が少し離れたところでため息をついた。