わたしの好きな人は、ジョセフ・ジョースター。身長195cmのとっても大きな彼。 イギリス人といえば、紳士。けれど彼は紳士とは正反対の性格で、でも、たった一人の身内である ”エリナばあちゃん”を大切にしている。そんなところが、素敵。たぶんそういうところに惹かれたんだと思う。 そんなジョセフと、たまあに遊んだり、連絡を取り合ったりしている。今日もジョセフと遊ぶ日だ。 時間より5分ほど早く待ち合わせの公園にやってきたわたしは、そわそわとジョセフを待つ。 待ち合わせって緊張する。 (早く来ないかなあー。) と思った瞬間、急に視界が真っ暗になって、顔周りに圧を感じる。誰かに目元を手で押さえつけられている。 ひっ、と思わずわたしは息をのんだ。 「だーれだ?」 この声は。 それに、こんなことをするのは、あいつに違いない。犯人の姿が頭に浮かんで、その名を言う。 「ジョセフ・ジョースター。」 「あったりィ〜!やるねえ!」 やっぱりだ。手が離されて、明るい世界が戻ってきた。 くるっと振り返ると、相変わらずでっかいジョセフがそこにいた。自然とほころぶ顔。 「ジョセフが待ち合わせに間に合うなんて珍しい。」 「あ〜?そんなことねェだろ。失礼なやつだぜ!」 「はいはい。」 軽くあしらうと、面白くなさそうな顔をしてジョセフが「てめー。」とじとっとにらんだ。 「ていうかよぉ、俺は今日、にいいてェことがあるんだ。だから今日呼び出した。」 「言いたいこと……?」 なんだろう。 「おう。まどろっこしいことは嫌いだ。だから、はっきり言わせてもらうぜ。」 「う、うん?」 嫌な予感ばっかりがするので、心臓が嫌に早鐘を打つ。 彼女ができたから、もう遊んだりはできねェ。とか、そんなのばっかり頭によぎる。 今すぐ耳を塞いで、駆け出したくなる。 「おれはいつまでもこんな曖昧なままでいるつもりはねェ。だから、俺と付き合え。」 珍しく真面目な顔をして告げられた言葉に、わたしは目の奥がじーんとするのを感じた。 そしてぽろぽろと涙の粒が零れていった。嘘、うそでしょ、ジョセフがわたしに付き合えと言っている。 どれほど幸せなことか。それを頭が、身体がわかっている。だから涙が流れるんだ。 「うれしい。」 ごしごしと涙を拭いて、泣き笑いみたいになった。 どれだけ拭っても涙は止まらないし、かといって笑顔も止まらないんだ。 「なんで泣いてるんだよ!な、なんか拭くものねェかな……。」 目の前でおろおろとポケットに手を突っ込んで涙を拭ける何かを探しているジョセフ。 「おおあった!使えよ!」 渡されたハンカチは、チェック柄のハンカチ。これはきっと、”エリナばあちゃん”に持たされたハンカチなのだろう。 年頃の男の子ならば絶対に嫌がるようなハンカチを使っているジョセフが愛しくて仕方なくて、わたしは 思わず抱き着いた。 「オーマイガーッ!!!、随分積極的だな!」 「だって、だって、愛しいんだもん!!」 「、ちっと顔を上げろ。」 言われた通り涙でぐしゃぐしゃになった顔を上げると、ジョセフはぷっと噴出した。 「ぶははは!お前、すっごい不細工だぞ!」 「なっ!!し、失礼だよ!!」 「でもそこもいいんだぜ。」 肩に手を置かれて、ちょっと離れてくれるか?とジョセフに言われたので、おとなしく離れる。 「なあ、俺よ、すっげェーキスしたいんだけど、いいか?」 「キッ!?」 「いいよな?おら、目ェつぶれ。」 「う、ん!」 目を閉じてそのときを待つ。しばらくして、わたしの唇に何かが触れる。つまりそれは、ジョセフの唇。 その事実がわたしを熱くさせる。身体の芯がしびれるような、そんな感覚。ジョセフの唇が離れて、わたしは目を開ける。 彼の顔があまりに穏やかで、また泣きそうになる。幸せすぎて。それにしても顔に熱が集中していて、困った。 「あっついよ、ジョセフ。」 「百億度くれーあるんじゃねェの?」 「そんなに熱くちゃ、溶けちゃうよ。」 「溶けちまうくらい、俺のことが好きなんだろ?」 「うん……好き。」 おどけていった彼の言葉に真面目に返せば、彼は返答に困ったらしく、うっと呻いて目を見開いた。 の 恋 |