「。」
ベッドで並んで座っていたら、名前を呼ばれたのでわたしはディオのほうを見る。
するとディオは、どこからともなく持ってきた首輪をわたしにつける。何がなんだかよくわからなくて、
わたしは抵抗もせずにただただ成されるがままだった。
「、今から俺のことはディオさまと呼べ。」
「え?なん――――」
「口答えするんじゃあない。」
くい、っとディオが手に持っているリードを引っ張る。
「ほら、呼んでみろよ。ディオさま、と。」
「ディオさ、ま……。」
「よろしい。」
綺麗な紅い瞳が、すっと細められた。
そんな色気のある表情に、わたしの体の芯が、じんとしびれるのを感じた。
「今日からお前は、俺のペットだ。」
「そんな―――」
「口答えするんじゃあないと、何度言えば分るんだ。」
今度はもう少し強くリードを引っ張られた。
「今日からお前は、俺のなんだ?」
「……今日からわたしは、ディオさまのペットです。」
すらすらと、まるで呪文をかけられたかのように言葉を紡ぐ。
「いい子だ。」
くいっと顎を持ち上げられて、乱暴なキスをされる。
舌が絡められ息をつく間もなく、貪るように。
「んっ、う……。」
やがてキスは終わり、顔が離れた。ああ、なんて美しいんだろう。
こんな人の、わたしは、ペット。わたしは、ディオさまのペット。
「もっとほしいのか。」
「ほし、い。」
「それじゃあ乞うてご覧。」
「ディオさまが、ほしいです。」
「それじゃあ俺の指をなめあげろ、丁寧にな。」
「はい。」
リードを引っ張られっる。
「はい、じゃあない。はい、ディオさま。だ。もう一度いうんだ。」
「―――はい、ディオさま。」
「いい子だ。ほら、じゃあお前は今から何をするんだ?」
「ディオさまの、指を、なめます。」
「ああ、なめろ。」
すっと指差すように人差し指を、差し出されたので、わたしはその人差し指がまるで彼そのものであるかのように
丁寧になめあげる。それだけで、いやらしい気持ちになる。
「ストップだ。」
ディオさまの静止の声で、わたしはなめるのをやめる。
「、脱げ。」
「えっ」
「脱げ、といったんだ。」
「はい、ディオさま。」
「なあ、こうされるの、嫌じゃあないんだろ?俺には分かる。」
耳元でささやかれて、ぞくり、背筋を伝うのはなんだったのだろうか。
「これからゆっくり、お前を娼婦にしてやる。」
「はい、ディオさま。」
「お前は俺のペットだ。俺は主人。」
「はい、ディオさま、ディオさま……。」
そう、嫌なんかじゃない。
寧ろしてほしいと思ってしまう。
暴いたのはあなた、暴かれたのはわたし。
暴かれる本質
はい、似非SM。笑
ディオさまに、調教されたい。と思ってしまったんです。
(2013.01.29)