日向冬樹 イン 朝
目を覚ますために顔を洗おうと思って部屋を出たら、ちゃんとドロロが楽しそうな顔で僕の前を横切った。
「あ、冬樹おはよう。」
「おはようでござる冬樹殿。今日は天気がいいでござるよ。」
「おはよう。……どこかでかけるの?」
ちゃんが休日の、しかも朝に起きてるなんて珍しい。
「ちょっと公園の草むしりを。それじゃ、いってきまーすっ」
「いってらっしゃーい。」
ああ、だからタオルを肩にかけてるんだ。
なんだかたのしそうだなぁ。あの二人、やっぱりお似合い。
それにしても、あのちゃんを早起きさせちゃうなんて、ドロロってすごいんだなぁ。
ケロロ イン お昼
「殿はどこにいるんでありますか?」
「ああ、なんかドロロと一緒に草むしりに行ったみたい。」
「ゲロ?草むしり?殿が?ドロロと?」
「みたいだよ。なんだかすっごい楽しそうだった。」
ゲロゲロ。殿がゴミ拾いとは……。ドロロの変な趣味に感化されちゃったでありますか。
チェー。一緒にガンプラ買いに行こうと思ったのにィ。ドロロのやつ、帰ってきたら覚えてろでありますよ。
「でも……きっとちゃん達って、地球で初めての宇宙人とのカップルだよね。」
「確かに。まったく、侵略者なのにな〜に考えてるんだか。」
でも本当に、お似合いなんだよね〜。うらやましいでありますな、まったく!
桃華 イン 午後
西澤桃華です。いまは冬樹くん家までタマちゃんと一緒に歩きでいっています。
たまには自分の足で歩きませんとね。それに……もしかしたらこんなことが。
「西澤さん、歩きできたの?夜道は危険だから僕が送っていくよ!さあ、いこう!」
「冬樹くん!ありがとう……なんだか怖いわ。」「それなら僕にしっかりつかまっているんだよ。君を離さない。」
キャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!
「あれ、モモッチ。あれとドロロ先輩じゃないですかぁ?」
「えっ、……ああ、本当だわ。」
ついつい妄想してしまいました。
ほんとだわ、さんにドロロさん。なぜ公園でしゃがみこんでるんでしょうか……?
お花を見ているんでしょうか。仲むつましくて何よりですわ。
「ちょっといってみるですぅ!」
「そうですね。」
花壇のそばで二人並んでしゃがんみこんでるところに駆けつけますと、二人はどうやら草むしりをしているようです。
さすが冬樹くんのいとこさん…!休日に草むしりだなんて、なんて素敵な人間なんでしょう。
「ー!それに、ドロロ先輩、何してるんですかぁ?」
「あれ、タママに桃華ちゃんだ。いまね、草むしりしてるんだよ。」
「お二方はいまから日向家へ?」
「ええ、そうです。……あ、少々お待ちを!」
ちょうどキャッシュを持ち歩いていましたので、自販機でお茶を二本買ってきました。
これで好感度アップですっ。
「あの、これどうぞ。」
「わあ〜ありがとう桃華ちゃん!」
「かたじけないでござる。」
「それじゃあ、頑張ってください。」
ぺこりと頭を下げて、公園を後にしました。
「とドロロ先輩って、すっごいお似合いですぅ。」
「本当に……。」
私も冬樹くんとゆくゆくはあんな風になりたいものです。休日に二人で共同作業。素敵です。
最後にもう一度二人を見てみますと、ドロロさんが自分のタオルでさんの顔についた泥か汗かを
ふき取っています。いいなぁ……。私も冬樹くんにやってもらいたいです。
夏美 イン 夕方
「あら、ちゃん、ドロロ!」
仲よさそうに歩いてる二人の姿。やっぱりちゃんにドロロだ。
肩にかけてるタオルとか、顔とか、服が泥んこだわ。なにしてたのかしら。
「夏美、部活いってきたの?」
「そうなのよ〜。つっかれたぁ。」
「お疲れ様でござる。」
「ちゃん達は何してたの?」
「わたしたちは公園で草むしりしたり、ゴミ拾いしてたんだ。疲れたねぇ。」
「けど、たまにはいいでござろう?」
「そうだねえ。たまには、ね。」
「やっ、にドロロ。それに夏美ちゃん。」
こっここここここの声は!?!?!?
やだ、心臓が……!
「睦実。どしたのこんなところで。」
「ちょっと散歩にね〜。こそ、泥だらけじゃないか。」
「いいことしてきたの。ね、ドロロ〜。」
「ね、でござる。」
ああ、睦実先輩なんてかっこいいんだろう……。いいなぁちゃんは、睦実先輩と一緒の学校
一緒のクラスで。しかも、呼び捨て。あたしも夏美、って呼ばれたいなぁ……。
「夏美ちゃん」
「はっ、はい!」
不意に名前を呼ばれてドキリと胸がちぢこまる。
「僕たちお邪魔虫みたいだから……いこっか?」
必殺☆睦実スマイルでたーーー!
夏美、悩殺されました。
「は……はひ……」
やばい、鼻血でそう。
イン 夜
「ドロロはいつもあんなことしてるんだね。感心だよまったく。」
「いやいやそれほどでもないでござるよ。地球の自然は美しい……これは、拙者たちの手で守らなくては。」
侵略宇宙人のくせに地球の環境について語ってみたり、日本特有の”侘び寂び”を理解したり、
ドロロはなかなか面白い宇宙人だ。お風呂からあがって頬が赤みを帯びているドロロの髪を丁寧に乾かしながら、
この宇宙人の頭にキスを落とした。
「んっ、殿、なにかしたでござるか。」
「なにも〜?へへへ」
ドロロがだいすきだよ。
ドロロ イン 夜
ああ、気持ちがいいな……。
殿が髪に、頭に触れるたびに、なんともいえない甘いしびれが奔る。
幸せって、こういうことを言うんだと思う。
先ほど指でない何かが触れたけれど、何が触れたんだろう。意味深な笑いをしていたけど。
「ドロロ〜?」
「ん……なんでござる?」
なんだかまどろむな。眠くなってきた。
けれど殿が話しかけてくれているから起きていなくては……。これも修行でござる。
「耳かして」
「どうぞ。」
髪を耳にかけて待機する。
「お疲れ様」
ささやくように言われて、どきりとする。
アサシンたるもの誰にも心を奪われずに生きていくのが常なのに。アサシン失格でござるな。
「お疲れ様でござる。」
殿、だいすきでござる。
ふたりの とある一日