「はかせ〜〜〜新一〜〜あけましておめでとう!! 今年も最高にラブリーだね!」

 ばーん! という大きな音がしたと思ったら、新年早々騒がしい女性の声。言わずもがな、年が明けても元気なが、阿笠博士の家にやってきたのだった。コナンの姿を見るなり、駆け寄り抱きしめる。コナンは、面倒くさそうな顔をしながらも特にいやそうなそぶりも見せなかった。新一が、コナンになってから彼女はいつもこうだから、今更もう慣れてしまった。

くん、あけましておめでとう」
「博士! お年玉!!」

 片手でコナンを抱きしめながら、もう片方の手は阿笠博士に突き出す。何ともストレートな要求に、阿笠博士は、くんらしい。と苦笑いした。先ほどコナンにもお年玉を要求されたが、彼はニコニコ笑みを浮かべながら、ひたすらにあけましておめでとう。と言う攻撃に出ていた。要求の仕方もひとそれぞれだ。
 は阿笠博士からポチ袋をもらうと、

「ありがとう!!」

 と、まるで小学生みたいな笑顔を浮かべてコートのポケットに無造作に突っ込んだ。

「新一、お姉ちゃんもお年玉あげるね」
「ばっ、いらねーよ!」
「どうして? ちゃん、コナンくんよりずっと年上だから、お年玉あげちゃうよ」
「なーにがコナンくんだ」

 好きな女からお年玉なんて貰えるかってんだ。コナンは心中でごちる。

「でもさでもさ、将来、新一はわたしを養ってくれるんでしょ? だから今はわたしが養おうと思って」

 へらへらと大胆なことを言う。なんだか此方が照れてしまう。コナンは少し体温が上がるのを感じた。

「大胆じゃのうくん」
「だってさ、歩美ちゃん可愛いからさ……」
「小学生にやきもちって」
「新一だって小学生でしょ〜〜?」
「俺は高2だ!!」
「やだ、どっからどう見ても小学生だよ? ねえ、博士」
「そうじゃな」
「やだっ、さっきの発言聞かれたら逮捕かな?」

 眉根を寄せてがぱっと離れた。

「成人するまでは我慢せんとな」
「何年後よ〜。まあ、養い続けるけどね……!」
「なに勝手に話進めてんだよ」

 呆れたようにコナンが言えば、「そんな顔もラブリー」と顔をだらしなくゆるめた笑顔になる。

「心配すんな、ちゃんと養うからよ」

 コナンの言葉に、のゆるみきった顔が少しだけしゃんとして、「やだ」と、つぶやく。

「今、新一に見えた」
「新一だっつーの」




A HAPPY NEW YEAR !! 2015