この時代の子たちというのはまともな教育を受けていない。
ゆえに、りんは全く手付かずの状態だった。
そこでは最近りんに勉強を教えている。
「殺生丸おそいねえ。」
たちを置いてどこかへふわりと飛んでいってから暫らくたった。
とりんは木の幹に腰を下ろし殺生丸を待っていた。邪見はその向かいに座る。
「りん、お勉強したいな。」
「そうだねー。邪見もする?」
「わしはやらん。」
とはいいつつ毎回りんとが勉強していると入り込んでくるのが邪見。
憎めないやつだ。そんなこんなで、とりんは勉強をはじめた。
「いままでは文字だったけど、今日は計算をしてみましょう。」
「はーいっ」
「りんがいました。そこに邪見と殺生丸がきました。さて、いま何人いるでしょうか?」
「ちゃんは?」
「あ、わたしはいないよ。りんと邪見と殺生丸。」
なぜかりんが悲しそうな顔をする。
「ちゃんがいないとやだよ。」
「……りんっ!」
可愛いことを言うりんにの胸がきゅんとなった。
「じゃあ、りんがいました。そこに邪見と殺生丸とわたしがきました。さて何人いるでしょうか?」
「みんないるねっ」
みんなかぁ……。
りんにとってはたちがすべてで、それ以外に世界はもっていない。
「……正解。」
算数的には不正解だが、この答えは算数なんかよりもっと深いものだった。
「」
「わかってるよ邪見。」
りんの世界を壊さないこと。そしてその世界でりんを大切に護ること、それが自分たちの役目。
りんを悲しませるようなことはしない、と自分に誓った。
きみのいない世界
(殺生丸不参加!)