、みてみて! 流れ星ッ! ああ、ダメだ消えちゃった……」

 リンクが急に嬉しそうに夜空を指さしたと思ったら、すぐにしゅんと落ち込んだ。わたしはと言うと、そんなリンクをずっと見ていたので、リンクが指差した流れ星を見ることはできなかった。ハイラル平原で絶賛野宿中のわたしたちは、身を寄せ合って夜の時間を過ごしていた。
 夜の時間、と言うとなんだか艶めかしいように聞こえるが、全然そういう訳ではない。今みたいに星を眺めたり、談笑したり、その程度だ。健全なのか不健全なのかは定かではない。

「いま流れ星流れたんだよ」

 しょんぼりしたままわたしに教えてくれたリンク。ああ、可愛い。いい青年がこんな可愛い顔しちゃだめだよ。

「そうみたいだね」
「一瞬しか見れなかった……に見せたかったな」

 流れ星ってそういうものだからね、なんていう野暮なことはすべて心の中に閉まっておいて、見たかったなー。なんてリンクに調子を合わせる。

「次見つけたらまた教えて? 今日は寝よっか」
「んー……わかった」

 渋々頷くリンク。流れ星を見せられなかったことが本当に悔しいらしい。

「ねえねえ耳貸して?」
「うん?」

 気を取り直したのか、なんだか照れた様子でリンクが言う。なんだろう?

「あしたも大好きだよ

 こしょこしょ、とそんなことを言って、照れを隠すように、にかっと笑顔になって、

「おやすみ!!」

 と大きな声でいい、ごろんと横になったリンク。なんだよ馬鹿野郎、可愛すぎるよ! 愛しさが止まらないよ!!

「わたしも!」

 リンクがおやすみ! と言った調子でわたしも言葉を発して、横になれば、隣で寝ているリンクがこちらを見て、じゃあ、あさっては? と期待を込めた目で問う。そんな目されてしまったらついつい苛めたくなるのが大人である。

「あさってはどうだろう?」

 暗がりでもわかる、青ざめたリンクの顔に、わたしは思わず声を出して笑ったのだった。

 
 

あしたも大好き