ベッドの上でくつろいでいると、 人畜無害の人のよさそうな笑みを浮かべてはの部屋へとやってきた。手にはビンが一本携えてあり、ビンの柄的にそれは酒あるとは予測した。リオは姿勢を直してベッドに腰掛ける。 「お酒?」 「正解。ここの宿屋のご主人がくれたんだ」 部屋に一つしかない椅子には腰かけて、ビンをベッドの近くにあるテーブルへ置いた。 「飲まない?」 「……ちょっとだけだよ」 酒を飲むのは嫌いじゃない。むしろ好きだ。けれど明日も早いから一応釘をさしておく。彼はたまに羽目を外すから。部屋に備えてある何の変哲もないコップには酒を注ぎ、はの隣の座った。二人は互いにコップを持つと、乾杯、と言ってコップをかち合せて景気よく一杯飲み干した。苦味がのどを支配する。少し強めのお酒だ。 「久しぶりじゃない、お酒飲むのさ」 「最後に飲んだのはたしか、ラインハットかしら」 など会話を交わしながらもはお酒をまたつぐ。 「は酔うと素直になる」 「そうかな?」 「そうだよ」 多くは語らずはふたたびお酒に口をつけた。 「が好きだと言ったらどうする?」 自分のグラスを、そしてのグラスをテーブルの上に置き、がゆっくりとの上に覆いかぶさった。 「どうするもなにも、ねえ、もうわかっているんでしょう?」 すぐ上で、うん、といって笑ったのくちびるとのくちびるが重なるのはこのすぐあと。
|