それは私にとっても都合のいいことで、誰にとってもいいことであるように思えた。
私は君をシアワセにできないし、君だって彼のことを好きだろうし、彼はとても君を愛しているようだった。

「いいのではないのでしょうか。なぜ、私に許可を?」

私の言葉に、彼は緑色の眉をひそめた。

「なぜ…って、あいつがあんたのことを好きだから、としかいえない。」

君が、私を好き?
いわれて私はしばし言葉を失った。一瞬たちの悪い冗談か?と思ったが、今この状況で
そんな冗談をつくわけがないとも思われた。つまり彼の言葉は真。

さんが、私のことを好き、らしい。

「仮にそうだとしても、私では彼女をシアワセにできません。」
「そうか。」

もしも、さんが私のことを慕ってくれていたとしても、やはり私には言葉にした通り
彼女を幸せにすることなんてできないし、逆にきっと不幸にしてしまうことは目に見えていた。
私は復讐を誓った者。私の手はすでにもう汚れてしまっていて、さんに触れるには汚すぎた。


さんを、どうかよろしくお願いします。」

本当は、この手で君をシアワセにしたかった。



に願いを

(どうか彼女にシアワセを)